赤山渋 【地域の民族文化】
赤山渋の再現プロジェクト
当会は、2012年頃から地域の文化『赤山渋』の復元をするプロジェクトを始めています。
「渋柿をもぎとり、発酵させ絞った渋を樽で貯蔵し、染料を作る」いう作業を会員が中心となって活動しています。
作った赤山渋を和紙や繊維に塗り、味のある風合いの作品なども制作し地域のイベントで展示。
また、「地域の文化を伝える」と題して近隣の小学校で赤山渋染めを子供たちに教える活動などもしています。
地域に渋柿の文化があったことは昔々の戦前までの話。今では化学塗料が主流で、柿渋の原料になる柿の木を探すのも一苦労。
けれども天然の柿渋の効能は素晴らしいものであり、過去のものとして忘れられるには、かなりもったいない話です。
そんな地域の人々に根付いていた文化「赤山渋」。
渋柿をもぎとる手作業から作品制作までの流れを実践し、地道に「伝えていく」活動を長年にわたり「まちづくり」の一環として行っています。
赤山渋とは
最近ではめっきり見ることは無くなりましたが、柿の木に登って柿を食す、のどかな風景が昔はありました。
柿には甘い柿と渋い柿があり、間違って、もいだその渋柿は、まったくもって記憶に残るほどの渋さでした。
その渋柿を潰して圧縮し、発酵させたものを「カキシブ」といいます。
その中で、見沼や綾瀬川緑地の台地で生産した渋は、「赤山渋」と呼ばれています。
カキシブ作りは昔の人々の生活にとても役にたっており、庶民の生活の知恵。
木材、衣服、和紙の染料に使われ、防腐剤、防水剤の役目を担っているものでした。
カキシブを使うことにより、木材や繊維の強度が増し、防虫効果もあったといいます。
自然のものから作られた染料なのでカラダにも優しい、今で言うエコな染料でした。
そして江戸中期においては、大変な高値で取引されるほどの特産品でした。
私たちの「赤山渋」活動
「赤山渋」再現プロジェクトは2012年からスタートしました。構想、準備期間等々を含めるとおおよそ10年近くかかっています。
寝かせれば寝かすほど、効果の高い良い渋になります。
カキシブ作業工程は
1:採取 2:搾汁 3:発酵 4:殺菌 5:熟成という流れになっており、とても手間と時間がかかる作業です。
下記画像は当会会員で活動したものです。
柿もぎり
樹齢200年の柿の木
’つっぱさみ’という柿を採る道具。手作りです。
柿もぎりをします。
「豆柿」ころころと丸い小さな柿です。
モロミづくり
もいだ柿はすぐ作業をします。渋つき作業には杵と臼を使用して砕いていきます。
もいだ柿の実を砕きます。
砕いた柿の実に水を入れます。
(見沼用水を使っていたという史実があり、それに基づき見沼用水を使用)
表面が平らになるように、足で踏み発酵を促します。
渋絞り
モロミづくりから1週間後、モロミ(柿の実)を絞り取り出します。
寝かせておいた「モロミ」は発酵中。つーんとした甘酸っぱい匂いがします。
昔つかっていたという渋を絞る「キリン」や強力な網籠「ドウ」はすでにないので、桶と手製の道具で代用していきます。
手作りのさらしの中にモロミを入れて、ジャッキで絞っていきます。
水や柿の種類によって多少色の違いはありましたが、こんなにきれいな乳白色の柿渋がとれました。
和紙染め
市内小学校で和紙のハガキを「赤山渋」を塗ってみるという講習をしました。
最初は「くさーい!」渋柿染液に躊躇していた子供たち。
進めていくと面白いほどに染まっていく和紙に、だんだん興味がわいてきます。
自然で温かさを感じる色あい、筆で和紙にお絵かきしたり、全体を塗りつぶしたりして楽しそうでした。
和紙を柿渋で染めた後、墨で絵をえがいたり、文字を書いたりして仕上げます。
赤山渋で作った作品
作品は「新井宿駅と地域まちづくり協議会」のイベントなどで、展示しています。
赤山渋染めワークショップ
不定期で赤山渋染めのワークショップを開催しています。
今年のワークショップは中止となりました。ご了承ください。
赤山渋のワークショップ
【柿もぎりからはじめよう】【発酵から渋づくりへと】
詳細ご希望の方は、お問い合わせよりご連絡ください。
※自然のものなので、その年の成長や環境により状況判断させていただいています。
ご了承ください。
日本に昔からある自然素材「柿渋」
優れた効果も持つ天然品「赤山渋」を再現し、伝え、広める活動を私たちは行っています。
新井宿駅と地域まちづくり協議会